昭和レトロシリーズ 第8弾 限定解除本試験に受かった時は人生最高の喜び
前回の東京オリンピックイヤーに生誕したやもめパパは【懐かしの昭和】が大好きでした。
まだパソコンもスマホもなかったけれど、すべてが緩くて自由で熱かった時代ー昭和。
前回は、3回目でようやく自動2輪免許の限定解除のための事前審査にパスしたところまでを綴りました。
今回は、いよいよ本試験のお話です。
当時、会社の同期生や先輩には限定解除に挑戦していることを話していたのですが、「やれ無謀だ、無理だよ、ゼッタイ無理」とか散々言われておりました。
当時私はかなり痩せていて体重50キロ前後しかなかったため、お前に倒れたバイクを起こせないだろ、センタースタンドを立てられるのか?と言いたい放題言われておりました。
でもそう言われると余計にハートに火がつくんですね。
もう反骨心の塊となり、ゼッタイ限定解除してナナハンに乗って見返してやる!!!と心に誓ったのでした。
【昭和60年】遊び編
いよいよ試験コースを走る本試験に挑戦
いよいよ試験コースを走る本試験の1回目の挑戦は、全体の流れが掴めればいいかなくらいの気持ちで受験しました。
が、いざ受験してみると、前半で出てきた一本橋の途中であえなく脱輪してしまい、それ以上コースを走ることなくその時点で不合格となりました。
一本橋の形状は、『長さ15メートル、幅30センチ、高さ5センチ』の直線路で、3メートル手前の停止線からスタートします。ここを10秒以上かけて渡りきることが減点されない条件でしたが、緊張のせいかフラついてしまいあえなく脱輪してしまいました。
脱輪するとその時点で試験は中止で、不合格が確定します。
パスするためのコツは目線を遠くに、アクセルとリヤブレーキをうまく操作することでしょうか。
ギヤは1速のまま渡りきるのですが、アクセルを開け過ぎてしまうと進み過ぎてしまいバランスを崩しやすいです。
そこでリヤブレーキをうまく使って前に進む力を抑えるのです。
この受験初回に1度脱輪してからは、何度も仮想の一本橋を練習しましたので、次回以降一本橋で落とされることはありませんでした。
鬼門のスラロームはマジ難しかった
これはよくTVで白バイ隊員の訓練風景の図で出てくるので見たことがあるかもしれませんが、置かれたパイロンを引っ掛けないように車体を左右に振って通過する課題です。
これは一本橋の比でないくらいマジ難しかった。
そもそも試験車の前輪のタイヤがスゴイ片減りしていて(タイヤの設地面が均等に減っていない状態、原因には事故・整備不良が考えられる。)試験コースを普通に走ってても真っ直ぐに走ってくれない感じが常にあった!!ので、(ひどいでしょ、意図的にそうしていたとしか思えません!)そんな試験車でのスラロームはマジ難しかった。
また、エンジンガードがついてるバイクなんて普段縁がないから車幅感覚が難しさに拍車をかけたのです。
あのエンジンガードはないよなーと思いましたよ。
練習のしようがない、、
このスラロームでは試験2回連続してパイロンを引っかけてしまい不合格になりました。
練習ではエンジンガードもパイロンもなかったですけど、車体を左右に振りながらいかに超低速の車速をコントロールするかに重きをおいてやっていたように思います。
本試験挑戦4回目、いいところまで走るも減点超過で不合格
一本橋とスラロームで落ちなくなると、あとはコース上で、いかに安全確認しているかを試験官にアピール出来るかがキーポイントになってきます。
試験官にはわざとらしい位の動作が好まれるのです。
逆にそれ位しないと気がついてもらえない=減点されてしまうのです。
車線変更ひとつとっても、まずミラーを見たぞとアピールするために多めに頭をミラーに向けて振る。
数秒後にウインカーを出し、車線変更前に大げさに後方を振り返り、その後に車線変更をするという具合にです。
本試験4回目の挑戦はいいところまで行ったのですが、試験官に試験終了の合図であるホーンを鳴らされて終わってしまいました。
試験官は走りながら、減点が規定をオーバーしたことを感じると容赦なく終了の合図を鳴らすのです。
4回目の挑戦ともなると、試験コースは完璧に頭の中に入っていて、連日、部屋の勉強イスの上で繰り返し繰り返しシュミレーションを行っていました。
5回目の挑戦。
初の完走を果たしましたが、残念ながら合格には至りませんでした。
挑戦開始から足掛け半年、6回目の挑戦でついに限定解除を達成!!
6回目の挑戦は、受験挑戦からもう試験場に足掛け半年も通っており、そろそろ受かりたいと思っていました。
その日も一本橋、スラロームをなんなくこなし、安全確認もバッチリ出来て我ながら手応えを感じた中で前回から連続の完走をしていました。
しかし、完走後の試験官の講評に耳を傾けるとトーンが低い。
またダメか。。
と思っていたら、「今後の期待を込めて合格とします。」と告げられたじゃないですか。
もったいぶりやがって!
もう人目をはばからず全身で喜びを表したかったくらい、これまで生きてきた人生の中で最高の喜びの瞬間でした。
試験場をあとにする前に、確か免許証の裏面に限定解除のスタンプを押されて帰ったように記憶しています。
こうしてボクは事前審査3回、本試験を6回でパスして、晴れてナナハンライダーの切符を手にしたのでした。